音による躾(しつけ)は問題行動につながる可能性がある?

こんにちは。ドッグトレーナーの照沼由紀です。

躾(しつけ)の方法の中でも「音を利用した躾(しつけ)」に関して、

  • 実際のところ、効果はどうなのか?
  • 犬のストレスにはなってないのか?

というご質問をいただきます。

そこで、今回はラブラドールを例に、音での躾(しつけ)にどのような効果、影響があるのかを回答させて頂きます。

ラブラドールはストレスに強い

ラブラドールは、他犬種と比べるとストレスに強いとされています。
そのため、ご存知の通り警察犬、盲導犬、介助犬など多方面で活躍しています。

ただし、

  • ストレスに強い
  • 我慢強い
  • 温厚で攻撃的でない

ということを理由に「ある程度厳しいとトレーニングをしてもいい」とはというのは間違っております。

「音」による躾(しつけ)の効果と影響

「音」での躾(しつけ)に関しては、一時的に行為を止めることが出来る場合もあります。

そのため、躾(しつけ)に音を利用する飼い主様もいらっしゃいます。

そういった飼い主様の場合、「直接手をあげている訳ではないから、体罰にではない」と考えていることが多くございます。

しかし、よく考えて頂きたいのですが、あなたが横で急に大きな音を立てられたら、びっくりしませんか?
そして、心臓がバクバクいっていませんか?ストレスになりませんか?

これは犬にとっても同じことです。
大きな音をたて、びっくりさせて行為を止めさせる事は、苦痛であり、ストレスそのものです。

そのため、一時的に行為を止める事が出来ても犬によっては

  • トラウマになる
  • 他の問題行動が起きるきっかけになる
  • ひどい例ではパニックになり側にいる人を咬んでしまう

という事もあります。

もちろん、犬種やその犬の持っている性格にもよります。
しかし、それだけ繊細な子もいるという事を、理解し、ストレスになっている事を理解して置かなければなりません。

そして、少なくとも、今後一生暮らしていく家族に対して、する事ではない事を気づいて欲しいです。
もしこのような方法を使わなければいけないとすれば、その子の命に関わる状況でしょうか…

飛び出して車にひかれそう…直ちにその行為を止めさせなくてはいけない時、くらいでしょうか。

ただ、このような非常事態で使った場合でも、犬のとっては変わらず、トラウマになる可能性はあります。

そのため、音での躾(しつけ)などでは無く、日頃からのコミュニケーション、呼び戻しトレーニングなどをしておく事が大切なのです。