犬のとってベストな散歩の仕方
こんにちは。ドッグトレーナーの照沼由紀です。
散歩は、犬が
- 社会性を身につける
- ストレス発散
- 犬のニーズを満たす
といったことから、欠かす事の出来ないとても重要な事です。
もちろん、小型犬であっても散歩は重要な事で、大きさに関わらず散歩をしなくていい犬は以下のような特別な理由がない限り、存在しません。
- 健康状の理由
- 精神的に外に出る事が出来ない
そのため、散歩が足りていないと、ストレスが溜まってしまい、
- 問題行動
- 自分の手足を噛む
などの行動が出てしまいます。
そこで今回は
- 散歩はどの様にしたらよいのか?(時間、リード、注意事項)
- 散歩時の問題行動「引っ張り」とその解消方法
についてご紹介致します。
目次
どのように散歩ってしたら良いの?
散歩の量や質は、犬種、年齢、性格などによって、本当に様々です。
そのため、一緒に暮らしている犬にとってのベストな散歩を飼い主がみつけてあげる事がとても重要になります。
では、ベストの散歩を見つけるには、どの様にしたらよいか?
それは、現在の散歩(基準となる散歩の時間や仕方)から、時間を伸ばすなど少しずつ変えていく。
その中で、犬の行動を見ながら探して行くことが重要となります。
そこで、
- 基準となる散歩の時間
- 散歩中に気をつけなければいけないこと
- ベストな散歩の見つけ方
- そんなに長い時間散歩出来ない時の散歩方法
をご紹介します。
基準となる散歩の時間と散歩の仕方
大型犬の場合には、以下を推奨しております。
散歩の時間
3歳未満:朝30分夜90分
3歳以降:朝20分夜60分
ただし、その子によって差がありますので、無理にこの時間に合わせる必要はありません。
(あくまで参考としてください。)
リードの長さ
リードの長さは、180cm〜200cmをお勧めします。
これ以上長い:リードを操るスキルがないと危険が伴ってしまいます。
これより短い:犬が自由に動ける範囲が狭く、精神的に満足出来ない。
そして、散歩時には、基本的に飼い主さんの周りを自由に歩かせてあげて下さい。
ただし、狭い道や危険がともなう場所では、もう片方の手でリードを持ち、短く保ってあげて下さい。
散歩時の2つの注意点
散歩の際には、以下の2点を気をつけてあげてください。
注意点1:リードが張らないようにする
基本的に飼い主さんの周りを自由に歩かせてあげて大丈夫なのですが、リードが張らないようにしてあげてください。
リードが張ってしまうと、『タイトリードシンドローム』といって、行動を抑制される事で攻撃的な犬になってしまう場合があります。
また、悪化してしまうと人や他犬に吠えるなど、張った時だけ問題行動を起こす場合があります。
注意点2:ヒールウォーク(脚側歩行)だけにしない
ヒールウォーク(脚側歩行)とは、飼い主の横に犬がぴったりとつき歩調を合わせて歩くことを言います。
しかし、これだけでは、犬にとって自由度がなく、ただの4本足の前後運動(ストレスは解消されない)になってしまいます。
そのため、飼い主の周りを自由にさせることで、精神的な選択肢を与えてあげて下さい。
「犬にとってのベストな散歩」とはどのように見つけたら良いか?
「犬にとってのベストな散歩」とは、散歩後に犬が満足している状態になることです。
ただ、一言「満足」と言っても、それは犬種、年齢、性格によって様々です。
では、どの様にして「満足」している状態を見つけて上げればよいか?
それは、現在の散歩時間を変えてみて、その時の犬の違いを飼い主さんがちゃんと把握することです。
例えば、普段、朝晩各30分散歩をしていたとします。
その際にまずは、朝晩のどちらかの散歩の時間を1時間にしてみる。
といった形です。
多くの場合、犬は満足していると、名前を呼ぶと振り向いたり、自然にヒールウォークをしてくれます。逆に満足していないと、一心不乱に進もうとします。
そういった、いつもとちょっと違う様子から、満足度を把握してあげてください。
※今まで育ってきた環境や性格によって、満足していても、振り向いたり、飼い主さんの方を見たりしない犬もいます。
そのため、「振り向く」にこだわらず、いつもとの違いを見つけて上げてください。
犬が満足するまで、散歩が出来ない場合は?
基準の時間。ベストな散歩の見つけ方。に関しては、わかった。
ただ、毎日はそんなに長い時間、散歩するのは難しい。
ということがあるかと思います。
そんな時には、
- リードを3mの長いものにする
- 15分、自由に臭い嗅ぎをさせてあげる
といった形にしてあげましょう。
犬が集中できる時間は、最大で15分と言われています。
そのため、15分間、広い場所、長いリードで自由にできる範囲を広げて上げることで、精神的に満足させて上げることが出来ます。
ただし、この散歩方法は、精神的には満足するものの、運動時間としては少なく、運動不足になりがちです。
そのため、本当に難しい時以外は、一緒に歩く散歩をしましょう。
散歩時の問題行動「引っ張り」
散歩時の問題行動というと、一番多いのは「引っ張り」です。(「引っ張り」とはリードが張り、力が入っている状態です。)
犬が引っ張りをしてしまう理由としては、
- 犬の前または周りに魅力的な物がありそこまで行きたい…
- 匂いを嗅ぎたい…
- 行きたいところ(例えば公園)がある…
などがあります。
まぁ、犬からしたら、1日の中で2回、もしくは1回の楽しみな時間ならばテンションは上がって当然ですよね。
しかし、特に大型犬の場合には、危険が伴います。
また、飼い主さん側のテンションは下がり、楽しい時間どころか苦痛の時間になってしまいますよね。
「引っ張り」を解消するためには?
まず、「ルール」を決めます。
リードが張ったら進まない。徹底して一歩も動かないようにします。
動いて進んでしまうと、犬にはこの「ルール」が理解出来ません。
もしかしたら、初日は5mも進まないかもしれませんが、この「ルール」を犬に理解してもらうには大切なステップです。
「緩んだら進む→張ったら進まない」
の繰り返しです。
タイミングが難しいですが、焦らずにしっかり犬にわかりやすくやる事が大切です。
「引っ張り」を解消するトレーニング時の注意事項
最初のうちは、散歩が出来ないかもしれませんので、お庭や家の中でボール投げなど遊びで発散させてあげる事も忘れずに。
そして注意点は、散歩にならない!とリードが張った状態で歩いてしまうと改善は難しくなってしまいます。
それどころか「引っ張れば進む」を教えている状態になってしまいます。
犬と飼い主さんが楽しめる散歩を!
散歩は犬にとって、1日の中で2回、もしくは1回の本当に楽しみな時間です。
その楽しみな散歩で満足が出来ないと、
- 引っ張りなどの問題行動
- 自分の手足を噛む
につながってしまいます。
そうなってしまうと、飼い主様としても、危険が生じてしまい、苦痛な時間になりかねません。
散歩中、それ以外の時間でも、犬の行動には必ず理由があります。
そして、「どうしてこの行動をとるのか??」を細かくみていくとわかる事が数多くあります。
そのため、犬と飼い主様の双方が楽しく暮らしていける方法を、生活する中で一緒に見つけていって上げてくださいね。